睡眠は重要とよく言われますが、何が重要なのかと聞かれると、ほとんどの人が「睡眠時間が足りないとパフォーマンスが低下する」と回答するのではないでしょうか。
確かに人間は睡眠時間が不足すると、あらゆる面で能力が低下します。
正常な判断ができなくなるばかりではなく、免疫力も低下し病気にもかかりやすくなります。
しかし、日本人は真面目で勤勉というイメージの通り、睡眠時間を削って働く人が多いのです。
正確には、睡眠時間を削って働かなければいけない状況下にあるということです。
そもそも一般的な会社は8時間の勤務で休憩1時間。
朝起きてからの準備や出退勤の移動時間も含めると、12時間以上時間を消費している人も多いでしょう。
当然仕事量が多ければ8時間で終わらず残業も発生しますし、
断りきれず無理をして残業し、ますます睡眠時間が少なくなります。
そして「睡眠負債」(毎日少しずつ積み重なる睡眠不足)が増えていくという悪循環に陥ります。
無理をして働くのが日本人の良いところでもあるのですが、やはり日本人は働きすぎです。
特に日本人は世界に比べて睡眠時間が少ないのです。
2020年にフランスのWITHINGS(ウィジングズ)という企業が調査したところ、
日本は2020年の平均睡眠時間が世界で一番短く、6時間22分19秒とのことでした。
年間で毎日の平均睡眠時間が6時間を下回った人の割合は32.13%で、
ショートスリーパーの割合も最多です。
ショートスリーパーの方は「寝なくても平気だよ」とよく言われますが、長期的に考えるとやはり病気のリスクも高まるので、睡眠時間を増やすことをおすすめします。
なお、少しでも仕事のパフォーマンス低下を抑えるには、休憩時間に数分間目を閉じたり、デスクワークの場合は少し体を動かすことも有効です。
※目を閉じるのは脳を休める効果もあります。
しかし、もっと大きな睡眠時間の問題があります。
2020年時点ですが、東京医科大学と慶應義塾大学の研究チームによる分析で、
「睡眠不足は生産性の低下を招き、少なくとも1人あたり12.4万円、日本全体では7.5兆円の損失となっている」
「さらに仕事のストレス反応への強い影響」
があることを確認したそうです。
生産性の低下はパフォーマンスの低下ということになりますが、
1人あたり12.4万円の損失というのは驚きですね。
※アメリカのランド研究所も、
「睡眠不足で日本のGDPは2.9%損なわれている可能性があり、最大で15兆円」
という推計を出しています。
このように生産性や心身の健康に様々な影響を与える睡眠ですが、改善策としては、
最低でも当たり前に言われている生活習慣の改善を常に意識して実践するしかありません。
例:
・食事の規則性、栄養のバランス
・朝起きて日光を浴びる
・寝る前スマホなど電子機器の画面を見ない
・カフェインの摂取量を減らす
日本の企業「株式会社こどもみらい」などの研究でも、生活習慣を改善することで睡眠の問題も改善していく可能性が示唆されました。
働いているすべての人が当たり前に言われている生活習慣の改善ができる環境にないことは知っています。
夜勤の人もいますし、1日中屋内の仕事も当然あります。
その場合は、「今できそうなこと」から少しずつ改善していきましょう。
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